会社のパーパスと、自分のパーパスは同じじゃなくていい
こんにちは。Project MINT代表の植山智恵です。
これまで、パーパスを見出す20週間の「自己革新コース」を通じて、250名以上の大人の皆さんと、自分のこれからの人生について一緒に考えてきました。
企業研修などでパーパスについてお話しすると、よくこんな質問をいただきます。
「会社にもパーパスがあって、自分にもパーパスがある。この2つって、どういう関係なんですか?」
とても大切な問いだと思います。
企業が「私たちは何のために存在するのか」を掲げる一方で、働く一人ひとりにも、「私は何を大切にして、これからどう生きたいのか」という問いがあります。
では、その2つは、同じでなければいけないのでしょうか。
私は、同じでなくていいと思っています。
むしろ、自分のパーパスと組織のパーパスの違いを知り、そのうえで「どこが重なるのか」を自分で見つけることが大切なのではないでしょうか。
パーパスは「作る」のではなく「見出す」
そもそも、パーパスとは何でしょうか。
私は、パーパスを「自分は何のために存在するのか」という問いへの、自分なりの答えだと考えています。
そして、パーパスはゼロから「作る」というより、これまでの人生の中から「見出す」ものです。
心が動いた瞬間。
どうしても納得できなかったこと。
誰かのために自然と動いていたこと。
時間を忘れて夢中になったこと。
人生の転機で、自分が選んできたこと。
そうした経験の中には、自分が何を大切にしてきたのかを知るヒントがたくさんあります。
だから、パーパスを考えるとき、いきなり「社会にどんな価値を提供したいですか?」と聞かれても、難しく感じる人がいるのは自然なことです。
もっと自分に近いところから始めていい。
「私は何が好きなんだろう?」
「何をしているとき、自分らしいと感じるんだろう?」
「これだけは大切にしたいと思ってきたものは何だろう?」
そんな問いから、自分の言葉を拾っていく。
その先に、自分にとってのパーパスが見えてくるのだと思います。
個人のパーパスと、組織のパーパスは違う
では、個人のパーパスと組織のパーパスは、何が違うのでしょうか。
一番大きな違いは、主語です。
個人のパーパスの主語は「私」。
私がどんな経験をして、何を大切にして、これからどう生きたいのか。
一方、組織のパーパスの主語は「私たち」。
この組織は何のために存在するのか。社会にどんな価値を届けたいのか。
つまり、個人のパーパスは「私の人生の物語」であり、組織のパーパスは「私たちは何を目指すのかという共通の方向性」です。
そもそも主語が違うのですから、完全に一致しなくても不思議ではありません。
会社のパーパスに、自分を合わせなくていい
ここは、パーパスを考えるうえで、とても大切なポイントです。
個人のパーパスを見つけることは、会社のパーパスに自分を合わせることではありません。
会社が「私たちはこういう社会を目指します」と掲げたからといって、社員一人ひとりが同じ言葉を自分のパーパスにする必要はないのです。
組織のパーパスを、自分のパーパスとしてそのまま言い換えてしまうと、どこか「立派だけれど、自分の言葉ではない」という状態になってしまうことがあります。
パーパスは、会社に提出するための標語ではありません。
誰かに評価してもらうための、立派な一文でもありません。
だからこそ、
「この会社が目指していることの中に、自分が大切にしていることと重なる部分はどこだろう?」
と考えてみてほしいのです。
「重なり」は、一人ひとり違う
たとえば、会社が「人々の生活を豊かにする」というパーパスを掲げていたとします。
その言葉を聞いて、ある人は「人の不安を減らすこと」にやりがいを感じるかもしれません。
別の人は、「新しい選択肢を増やすこと」に価値を感じるかもしれない。
また別の人は、「誰かが自分らしく生きられる環境をつくること」に意味を感じるかもしれません。
同じ組織で働いていても、会社のパーパスと自分のパーパスが重なる場所は、一人ひとり違います。
だから、会社のパーパスを「正解」として受け取るのではなく、自分自身の経験や価値観と照らし合わせてみる。
「ここは、自分が大切にしていることとつながっている」
そう思える部分が見つかれば、それで十分なのです。
「自分のパーパスを生きている人」は、なぜ少ないのか
以前、McKinseyの調査で、とても印象に残る数字を見ました。
「仕事で自分のパーパスを生きている」と答えた人が、経営層では85%だったのに対し、現場のマネジャー・従業員では15%だったのです。 McKinsey「Help your employees find purpose—or watch them leave」
同じ組織の中でも、「自分の仕事に意味を感じている」という感覚には、大きな差があります。
私は、この数字を見るとき、組織がパーパスを掲げるだけでは十分ではないのだと思います。
どれだけ素晴らしい言葉を掲げても、一人ひとりが「自分にとって、それはどういう意味なのか」を考えられなければ、自分の仕事にはつながっていきません。
だからこそ、
会社のパーパスを覚えることより、自分のパーパスと会社のパーパスの接点を、自分で見つけること。
それが大切なのだと思います。
パーパスは、立派な言葉でなくていい
そして、もう一つ伝えたいことがあります。
パーパスは、立派でなくていい。
社会課題を解決しなくてもいい。
壮大な夢でなくてもいい。
「社会に貢献する」「人々に価値を届ける」といった大きな言葉だけがパーパスではありません。
むしろ、自分自身の経験から出てきた、少し個人的すぎるくらいの言葉のほうが、その人の人生には深くつながっていることがあります。
これまで250名以上の方と対話してきて、私が何度も見てきたのも、まさにその瞬間です。
最初は「社会に貢献したい」「誰かの役に立ちたい」と話していた人が、対話を重ねるうちに、
「本当は、私は○○が好きだった」
「そういえば、昔から○○をしているときが一番楽しかった」
「私は、○○を我慢している人を見ると、どうしても気になってしまう」
そんな、自分にしか出てこない言葉にたどり着くことがあります。
そこから、その人らしいパーパスが少しずつ形になっていく。
だから私は、パーパスは「きれいな一文」を作る作業ではないと思っています。
パーパスは、人生の変化とともに深まっていく
もちろん、一度言葉にしたら終わりでもありません。
「自己革新コース」では20週間かけて、自分の経験や価値観を振り返り、パーパスを言葉にしていきます。
最初に書いた言葉と、20週間後の言葉が変わる人も少なくありません。
でも、それは最初の言葉が間違っていたということではありません。
新しい経験をしたり、誰かと対話したり、自分自身について考えたりする中で、「本当に大切にしたいもの」が少しずつ見えてくるからです。
だから、個人のパーパスは、完成させるものではなく、人生の中で何度も確かめ、磨いていくものなのだと思います。
「自分の軸」を持って、組織と関わる
個人のパーパスと組織のパーパス。
私は、この二つは「どちらを選ぶか」という話ではないと思っています。
自分のパーパスを持ちながら、今いる場所との重なりを見つける。
重なりがあるなら、そこで自分らしく力を発揮する。
もし重なりが小さくなったら、働き方を変えるのか、環境を変えるのか、それとも自分自身のパーパスをもう一度見つめ直すのか。
その判断を、自分の軸でできること。
それが、人生100年時代に「パーパスを持って働く」ということなのではないでしょうか。
会社のパーパスと、自分のパーパスは同じじゃなくていい。
大切なのは、違いがあることではなく、その中に自分なりの接点を見つけられること。
そして、その接点を自分の意思で選び取っていけることです。
あなたは今、自分の「好き」を、自分の言葉で語れますか?
そして、今いる場所で、その「好き」とつながっているものは何でしょうか。
まずは、そこから考えてみてください。
自分のパーパスを見出す20週間「自己革新コース」
自分の経験や価値観を振り返り、これからの人生を自分らしく選ぶための20週間の学びの場です。
まずは無料説明会で、あなたの現在地からお話ししてみませんか。


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