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パーパスとは何か?──意味・ミッションとの違い・人生での活かし方

7 日前
読了時間: 8分
パーパスとは

「自分は、何のために働いているのだろう?」

「このまま今の仕事を続けていていいのかな?」

「これからの人生で、何を大切にして生きたいのだろう?」


人生やキャリアの転機に、そんな問いを感じることはありませんか。


転職、昇進、独立、結婚、子育て、介護、学び直し、定年。人生のステージが変わると、それまで当たり前だった仕事や生き方を、一度立ち止まって見直したくなることがあります。


そんな文脈で、近年よく聞かれるようになった言葉が「パーパス(Purpose)」です。

では、パーパスとは何なのでしょうか。


パーパスとは、自分が何のために生き、働くのかという存在意義であり、自分にとっての意味、人生の方向性、そして自分を超えた何かとのつながりを含む「生きる軸」です。


心理学では、Purpose in Life は人生に意味や意図を感じ、目標や意思決定を導くものとして研究されています。


研究を整理すると、パーパスには「自分にとって意義があること」「目標へ向かう方向性」「自分を超えた何かへの志向」といった側面があります。


Project MINTでは、パーパスを「一度見つければ一生変わらない答え」とは考えていません。


見つける。言葉にする。行動する。振り返る。必要に応じて更新する。


パーパスとは、人生の変化の中で何度でも問い直し、体現していくプロセスだと考えています。


パーパスの意味とは?

Purpose は、日本語では「目的」「存在意義」などと訳されます。


ただ、「人生の目的」とだけ考えると、少し誤解が生まれます。

たとえば、

「3年以内に独立する」

「海外で働く」

「年収1000万円を達成する」

「会社をつくる」

というのは、具体的な目標です。


一方で、

「人が自分の可能性に気づくきっかけをつくりたい」

「未知の世界に触れることで、人の視野を広げたい」

「自分の経験を次の世代に渡していきたい」

というのは、より大きな方向性や意図です。


目標や仕事が変わっても、その奥にある「なぜ」を持ち続けられる。

それが、パーパスの特徴です。


パーパスには3つの重要な要素がある


心理学会のパーパスの権威、米国クレアモント大学 Kendall教授の研究では個人のパーパスは3つの重要な要素に分解されていると提唱しています。


1.自分にとって意義深いこと

まず大切なのは、「それが自分にとって意味があるか」です。

誰かに褒められるから。

親が喜ぶから。

社会的に成功しているように見えるから。

ではなく、自分の内側から「これは大切だ」と感じられるもの。

人生の中で心が大きく動いた経験や、何度も繰り返し惹かれてきたテーマには、自分でも気づいていない価値観が隠れていることがあります。


2.目標への方向性があること

パーパスには、「こういう方向へ進みたい」という意志があります。

「人を大切にしたい」という価値観だけではなく、

「人が安心して挑戦できる環境をつくりたい」

となれば、そこには方向性が生まれます。

パーパスは、日々の意思決定や行動に「こちらへ進みたい」という軸を与えます。


3.自分を超えた何かにつながっていること

そしてもう一つが、「自分だけで完結しない」という視点です。

「私はこうなりたい」

だけではなく、

「その先で、誰にどんな価値を届けたいのか」

「社会や周囲に、どんな変化を生み出したいのか」

まで考えていく。

研究では、これを「Beyond-the-Self」という側面から捉えています。パーパスは、単なる自己実現だけでなく、他者や社会との関係の中でも形づくられます。



パーパスとミッション・ビジョン・価値観の違い

「パーパス」「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は、似た言葉として使われます。

企業によって定義は異なりますが、個人について考えるなら、次のように整理するとわかりやすいでしょう。

言葉

意味

問い

パーパス

なぜ、それをするのか。存在意義

私は何のために?

ミッション

何を通じて価値を生み出すのか

私は何をする?

ビジョン

どんな未来を実現したいのか

どんな未来にしたい?

価値観

何を大切にして判断するのか

何を大切にする?

目標

何を、いつまでに達成するのか

何を達成する?

たとえば、

「人の可能性を引き出したい」

というパーパスを持つ人が、

「学びを提供する」

というミッションを選び、

「誰もが何歳からでも学び直せる社会」

というビジョンを描き、

「好奇心」「挑戦」「つながり」

を価値観として持つ。


そして、「今年10人の人の学びを支援する」という具体的な目標を設定する。

このように、それぞれがつながっていきます。


パーパスと「夢」「目標」「やりたいこと」は違う?

「海外で暮らしたい」

「起業したい」

「大学院に行きたい」

という夢や目標があったとしても、それだけでパーパスとは限りません。


大切なのは、その奥にある「なぜ」です。

なぜ海外で暮らしたいのか。

なぜ起業したいのか。

なぜ大学院に行きたいのか。


その「なぜ」を掘り下げていくと、自分が本当に大切にしているものや、人生の方向性が見えてくることがあります。


つまり、パーパスを考えるときは、

「何をしたいか」だけでなく、「なぜ、それをしたいのか」

を見ることが重要です。



なぜ、今パーパスが注目されているのか

人生の選択肢は、以前よりも増えています。

転職する。

副業する。

独立する。

学び直す。

会社員と個人活動を組み合わせる。

仕事以外の活動を人生の中心に置く。


こうした選択肢が増える一方で、「みんなが進む一本道」は見えにくくなっています。

さらに、AIやテクノロジーによって仕事の内容が変化していく中では、「何ができるか」だけでなく、「何のためにそれをするのか」を考えることも重要になります。


そんなとき、パーパスは「正解を教えてくれるもの」ではなく、変化の中で自分の選択を考えるための軸になります。


パーパスと幸福・健康には関係がある?

Purpose in Life と幸福や健康の関係については、心理学、公衆衛生、老年学などの分野で研究されています。

システマティックレビューでは、Purpose in Life は意味のある目標、社会的関係、自分が誰かにとって意味のある存在だと感じることなど、複数の側面を持つ概念として整理されています。


また、意味や目的と身体的健康との関係を調べた66研究、合計73,546人のメタ分析では、meaning in life と身体的健康の間に弱〜中程度の関連が報告されています。


さらに近年の大規模メタ分析では、米国・欧州・アジアの25サンプル、約48.9万人を対象に、Purpose in Life が高いことと早期死亡リスクの低さとの関連が報告されています。ただし、これは関連を示した研究であり、「パーパスを持てば長生きする」といった単純な因果関係を意味するものではありません。


だからこそ、パーパスを「人生を成功させる魔法」と考える必要はありません。


むしろ、

「自分にとって何が意味あるのか」を知り、「これからどちらへ進みたいのか」を考えること自体が、人生をつくる重要な営み

と考えるとよいでしょう。


パーパスはライフステージによって変わっていい

Project MINTが特に大切にしているのが、この考え方です。


パーパスは、一度見つけたら一生変わらないものではありません。


20代では、「自分は何者なのか」を知ることが重要かもしれません。

30代では、「社会の中で何を実現したいのか」を考える。

40代では、「仕事と人生、人との関わり方をどう組み立て直すか」を考える。

50代では、「これまで培ってきた経験を、これから誰にどう渡していくか」を考える。

60代以降では、「自分はこれから何を残していきたいのか」を考える。


もちろん、すべての人が同じ順番で変化するわけではありません。

けれど、人生の役割や環境が変化すれば、自分にとって意味のあることや、社会との関わり方が変わるのは自然なことです。


Purpose in Life の研究でも、ライフステージや社会的役割の変化と purpose の関係が研究されています。高齢期においても、社会への貢献、意味のある活動、人とのつながりなどが purpose を支える要素として論じられています。


だから、

「昔はこれがパーパスだったのに、今は違う」

ということは、失敗ではありません。


新しい人生のステージに入ったからこそ、更新するタイミングが来ているのかもしれません。


パーパスは「見つけて終わり」ではない

Project MINTでは、パーパスを「発見」だけではなく、「体現していくプロセス」として捉えています。


どれだけ美しい言葉をつくっても、それが日々の選択や行動につながらなければ、単なるスローガンになってしまいます。


たとえば、

「人の可能性を引き出す」

というパーパスを言葉にしたとします。

では、明日の仕事では何を変えるのか。


誰との時間を増やすのか。

どんな仕事を選ぶのか。

何をやめるのか。

新しい活動を始めるのか。

そうやって日常の行動に落としていく。

そして、やってみて違ったら、また問い直す。


だから私たちは、

パーパスは「見つけるもの」であると同時に、「育てるもの」「体現するもの」

だと考えています。


まとめ──パーパスは人生の羅針盤

人生は、思い通りには進みません。

仕事が変わる。

家族の状況が変わる。

住む場所が変わる。

自分自身が変わる。

社会が変わる。

そんな変化の中で、目標だけを持っていると、その目標がなくなったときに「次はどうすればいいのだろう」と迷うことがあります。


でも、

「私は何を大切にして生きたいのか?」

という問いを持っていれば、目標や方法を変えながら、次の選択肢を考えることができます。


パーパスは、未来を予測するための地図ではありません。

変化する人生の中で、「私は何のためにこれをするのか」と立ち返るための、ひとつの羅針盤です。


そして、その羅針盤もまた、人生とともに更新されていきます。

「では、自分のパーパスはどうやって見つけるのか?」


その方法については、次の記事で詳しく紹介します。



また、見つけたパーパスを今の仕事でどう体現するかについては、こちらをご覧ください。





Project MINTは、「人生100年時代に、パーパスとともに生きる大人を増やす」ことをミッションに、ミネルバ大学の教育メソッドをベースにした学びを提供しています。これまで250名以上が修了し、ニューヨーク・タイムズ、Forbes Japanにも掲載されました。

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